みかるくです。大野くん大好きなアラシックに連れられて、久し振りに劇場で観てきた作品でした。
映画、忍びの国。
ネタバレなしのレビューですので、観る前の人も、観た後の人もどうぞ。
『忍びの国』のザックリあらすじ
銭のためなら何でもござれ。人を人とも思わない忍び達が集まる、伊賀。
主人公、無門は伊賀一の忍として知られていながら、実は恐妻家。美しいヒロイン、お国につつかれながら忍び稼業で暮らしている。
しかし、時代は戦乱のとき。圧倒的な戦力で領地を広げる織田軍の魔の手が、伊賀にも迫っていた。
ついに幕を開く、侍VS忍びの大戦。史実に基づいた大逆転劇、目撃すべし!
もはや無門=大野智
まず、主演の大野智さんについて。
アラシックの知人の影響かわからないのですが、嵐の中で誰推しか?と聞かれると、何となく「大野智」と言ってしまう私。実は2度ほどライブにも連れられたことのある、ライトなファンでもあります。
通称大野君は、嵐のリーダーでありながら、飄々とぼんやりと。ともすれば、草原に寝転がってぼさっと口開けたまま上の空でいるようなイメージがあるんですが(失礼)
圧倒的な歌唱力やダンスパフォーマンスのしなやかさ、また、絵画にも通じる芸術性の高さに、あっと驚かされるギャップがあるんですよね。
映画の話に戻りますが、
何て言うんでしょう。その「飄々としていて実はすげえ」みたいな大野智のキャラクター像が、そのまま無門として活きているのです。
後から知ったことですが、
監督から「大野智まんまでいいから」という指示があって、そうした演技の方向性になったようですね。
いや、本当に大野智のイメージそのまんまです。
他の出演男優さんが凛と佇み、侍然とした面構えや語調でキメてくれる中、草原で大口開けて寝てそうです(2度目の失礼)
曲がりなりにも時代劇物なのに大丈夫なのか?と思うくらい、大野智です。
しかし、それが無門という、一見するとうつけ者みたいな忍びの人間像にとてもよくマッチしています。
特にヒロインであるお国(石原さとみさん)とのコメディーシーンは、お国の美しさも相まって、ぼんやりした無門の腰の低さが引き立ちます。
やっぱり石原さとみさん、美人ですよねぇ!
忍びアクションが画面いっぱいに躍る
注目はキャラクター像だけではありません。忍びを題材にした作品だけに、アクションのトリッキーさは目を見張ります。
しかも、主人公である無門に限らず、伊賀で暮らす忍び達が総勢で見せてくるので、作り込まれるなあ、と感じました。
合戦シーンなんて画面のどこを見ても、忍びという忍びが跳躍して、煙を吹いたり、手裏剣を投げたりとしっちゃかめっちゃかしているんですよね。
軽妙洒脱に宙を舞う忍び勢力と、
どっしりとした武技に腕を振るう豪快な侍勢力。
この対比もまた、いい味を出していました。
ただのコメディーにあらず
「織田軍1万人 vs オレ1人?」をキャッチフレーズに、にやりと微笑む無門が印象的なポスターのイメージや、予告編のコミカルな雰囲気もあり、
私はこの映画を、笑いどころが大半を占めるコメディー映画だと思って観に行ったのですが、誤解でした。
いい意味で予想を裏切られました。
こう見えて結構、シリアスな作品だったりします。意表を突かれてしまった。
原作である小説を読むと、より詳細な人物描写があるそうなのですが。
映画という限られた尺の中でも、端的な台詞と登場人物達の表情が物語るテーマは、なかなか重たいのです。全部ギャグで進行するものとばかり思って油断していると「えっ?」となるシーンが随所にあります。
小説よりも言葉が少ない分、役者のみなさんが含みの多い表情をしているんですよね。
正直、私は途中まで油断して観ていましたので……
2度観てもいいかな、と思うくらいには、噛み応えのある作品です。
人として生きることの尊さであったり、人を大切に思うことの純朴さであったり。
手垢の付いたテーマとも言えますが、この描き方が非常に端的で、シンプルなだけに印象強い。上手かったと思います。
特にお国が語りかける、あの言葉。
本来はありがちなあんな言葉が、ここまで痛烈に刺さる作品、私は他に知りません。
ましてや、私はシリアスな作品の方が好みなので。忍びの国のあっけらかんとした切なさ、ぐっと来ましたね。
総じて言える魅力的なギャップ
浅いようでいて、混濁した主人公のキャラクター性。
明るいようでいて、実は陰もあるストーリー。
織田軍で繰り広げられる人間ドラマと、対照的な人でなし集団、伊賀の忍び。
この作品の魅力は総じて、ギャップにある! と思いました。
えー?ただのアクションコメディーでしょー?
と食わず嫌いをしてる方、意外と楽しめる作品かもしれませんよ。おすすめです。
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